平成24年度 なごや竹和会活動報告

 

平成24年は、なごや竹和会にとって出発点であり、大きな一歩を踏み出した1年でした。14名で発足したなごや竹和会は、新たな仲間が加わったことにより、27名の大きな組織に成長し、会員の情熱と行動力により、当初は「将来の夢」に過ぎなかった多くの計画が実現する運びになりました。

 

 なごや竹和会は、生物の多様性と里山の環境を守り、市民が気軽に自然の恵みに触れ合う社会づくりを目指すため、名古屋市内の公園などの竹林整備とともに、竹材の活用方法を多角的に研究・実践しています。そもそも竹は軽量かつ丈夫で、柔軟に加工できる特徴を持ち、昔から人々の暮らしに利用されてきました。本会は、整備などで排出される大量の竹材を単純にゴミとして処理するのではなく、人にも環境にも優しい資源として活用し、社会に還元したいと考えています。

 

 なごや竹和会は、24年度を準備の年として、竹林整備と竹材加工の場所を探し、少しでも実際に活動できることを目標としました。幸いにも、会員及び市民の方々の協力によって、竹林整備、工作教室、インテリア用品の生産、そして炭窯の設置といった一連の計画を実施し、市民から好評を得ることができました。会員の不断の努力と市民の支援により、なごや竹和会は「準備の年」から本格的な活動の年へ飛躍的に前進することができたのです。

 

 さらに、これまでの活動で得た経験をもとに、東郷町の民有地でも竹林整備を実施し、新たに竹材での楽器製作・演奏の準備段階に入るなどその活動の範囲を一層広げました。また「みどりが丘公園」でも竹を通じて公園の自然と市民が触れ合う機会を設けるべく、目下準備をしています。なごや竹和会は、これからも竹材による社会貢献を進めてまいります。

 

 

 

なごや竹和会の主な活動

定例会

 毎月第2火曜日をなごや竹和会定例会の日として、名古屋市高齢者就業支援センターで会議を行っています。平成24年1月から3月にかけて なごや竹和会 設立のための会議を行い、4月から正式に定例会及び役員会を実施しました。

このほか、竹材加工の研究や炭窯の管理など、会員の資質向上のための会合を月に1、2回の割合で実施しました。

 

 

 

竹林整備

 竹林の侵食に悩む 牧野ケ池緑地 の整備活動に協力し、本年度は5月18日、6月6日、11月7日、14日に実施しました。過密であった竹林から適度に竹を間引き、ゴミや雑草を処分することで、竹林内の日照度を確保し、利用者が快適に散策できる環境づくりに努めました。この他、12月から3月にかけて計5回、名古屋市内外の民有地でも竹林整備を行いました。

 

竹工作

 整備活動で排出された大量の竹材を単純に「廃棄物」とせず、有益な物に再生させることは、竹林整備の醍醐味です。なごや竹和会 会員が知恵を出し合い、プラスティック製品に囲まれた現代に、斬新で温かみのある竹製品を生み出します。

 本年度は8月9日に名東児童館において、学童保育の子どもたちと福祉会館に通う高齢者とともに竹工作を楽しみました。竹ぽっくり、竹笛づくり、竹切り体験などで大変盛り上がりました。

 また、民有地で排出された真竹と孟宗竹を使って、ミニ門松を作り、12月30日に予約した市民へ配付しました(生産量約90個)。


 

竹炭づくり

 竹炭の使用方法は燃料だけでなく、吸湿、消臭、水質・土壌改良剤としても有効で、燃やさずに使えば竹が吸収した二酸化炭素を封じることになり、地球環境にも有益です。本会では、竹材の加工生産のひとつとして竹炭づくりにも挑戦しました。平成25年1月には天白区の徳林寺のご協力により、炭窯を設置することができました。その後3月までに計5回にわたり生産試験を繰り返し、竹炭の生産に成功しました。

みどりが丘公園での打ち合わせ
みどりが丘公園での打ち合わせ

活動範囲の拡大に向けて

1.みどりが丘公園での活動

みどりが丘公園(緑区)のご協力を得て、なごや竹和会 が公園内の竹林整備、清掃活動、利用者との交流活動ができるよう、公園側との打ち合わせや活動の企画提案などを行いました。25年度以降は公園で実際に活動し、竹林整備や竹工作教室を通じて市民の利用増加につなげます。

まずは不法投棄のごみ清掃から始め、荒廃した竹林を整備して、市民が竹林の中で憩う竹の散歩道(竹遊林)づくりを目指します。
まずは不法投棄のごみ清掃から始め、荒廃した竹林を整備して、市民が竹林の中で憩う竹の散歩道(竹遊林)づくりを目指します。
10月24日牧野ケ池緑地で名古屋市青少年参画フォーラムのご指導により、荒廃した竹林や生存が脅かされる動植物を観察しました。 
10月24日牧野ケ池緑地で名古屋市青少年参画フォーラムのご指導により、荒廃した竹林や生存が脅かされる動植物を観察しました。 

2.他団体との交流

名古屋市全体の竹林整備や里山環境の保全を維持するには、なごや竹和会 だけの活動では到底不十分であり、同じ目的を有する他団体との交流、協働が欠かせません。そこで、猪高緑地、東山公園、相生山などで活動する他団体と交流し、情報交換を行いました。

 

11月28日はじめ数回猪高緑地で名東自然倶楽部のご指導により、竹炭づくりの方法などを学びました。その後も数回現地に伺い、本会の実験状況をお知らせしつつ、技術研究に努めました。
11月28日はじめ数回猪高緑地で名東自然倶楽部のご指導により、竹炭づくりの方法などを学びました。その後も数回現地に伺い、本会の実験状況をお知らせしつつ、技術研究に努めました。

この他、「なごや東山森づくりの会」、天白区の「みんなの家プロジェクト」、「相生山緑地オアシスの森くらぶ」との交流も始めました。

また、なごや竹和会 会員の技術研究のために豊明市や足助町の団体とも交流し、今後は共同によるイベントなどを企画する予定です。

 

平成24年度 主な活動一覧

 
主な活動
4月

なごや竹和会設立(1日)

天白区の徳林寺花まつりで本会のPR活動、定例会

5月

定例会、竹炭づくりの研究会

竹林整備(牧野ケ池緑地)

6月

定例会、竹林整備(牧野ケ池緑地)

7月

定例会

8月

定例会、まるはちの日工作教室(名東児童館)

9月

定例会、竹工作の研究会

炭窯の設計会議

10月

定例会、みどりが丘公園との打ち合わせ

牧野ケ池緑地自然観察会

11月

定例会、竹林整備、竹炭づくりの研究会(猪高緑地)

徳林寺秋まつりで本会のPR活動

12月

定例会、竹を活用した調理の研究会(天白公園)

竹工作の研究会、ミニ門松づくり

1月

定例会、新規会員交流会

炭窯設置工事、炭窯燃焼実験(竹炭づくり)

2月

定例会、炭窯燃焼実験(竹炭づくり)

竹炭づくりの研究会(足助町)

みどりが丘公園との打ち合わせ

3月

定例会、炭窯燃焼実験(竹炭づくり)

みどりが丘公園との打ち合わせ

徳林寺花まつりでの本会のPR活動準備

竹林整備(東郷町)、竹楽器づくりの研究会